知床半島沖で沈没し、引き揚げるためにえい航されていた観光船「KAZU1(カズワン)」が、5月24日午前に海中約180メートル下に落下しました。
今後、再び飽和潜水によるくくりつけ作業が行われ船体のつり揚げに着手する予定とのこと。
それにはどれぐらいの費用と期間がかかるのでしょうか?
この記事では
・知床観光船の引き揚げ費用は誰が出すの?
・知床観光船の再引き揚げ作業にかかる期間は?
といった点についてリサーチしました
知床観光船カズワンの再引き揚げにかかる費用は?
当初、船体の引き揚げ費用は約1億4000万円で、捜査上の証拠になりうるため海上保安庁が負担するということになっていました。
それが失敗したのですから大きな税金の損失ですね。
船内で不明者は見つかったの?
国交省によると、船内には乗客のものとみられるカメラやバッグ、傘など計10点が見つかり回収していますが行方不明者12人は見つからず安否はわかっていません。
再度引き揚げ作業を行うとしたら同程度の費用がかかることになるでしょう。それも税金と思うとなんだかやるせない気持ちになってしまいます。
知床観光船カズワンの引き揚げ方法とは?
水深120mの海底に沈んだカズワンはどのように引き揚げられようとしていたのでしょうか。
カズワンの作業はどのように進められていたの?
事故原因の捜査のため、知床の海に沈んだ観光船「カズワン」を引き揚げる作業が先日から行われていました。
作業台船「海進」を運航しているのは、海上保安庁と契約した「日本サルヴェージ」。
水深120mにあった観光船を引き揚げ、深さ約20メートルの海中に吊るした状態でした。
慎重に水深の浅い斜里町沖約7キロの海域に向かっていたところでした。そして同海域でいかりを下ろして海進の船上にカズワンを引き揚げる予定だったそうです。
船の推進力の潮流は大きいですから、今回思わぬ力がかかったのではと言われています。いくつかの理由が重なって再び落下してしまったようです。
カズワン内を捜索した飽和潜水士とは?
また、引き揚げ作業に際して飽和潜水士の任務が重要です。飽和潜水士は数日かけて地上の13倍もある水圧に身体を順応させるタンク内で一定期間を過ごす過程を経てから作業をします。
飽和潜水士の装備や準備はどのようになっているの?
海底で作業が可能な潜水スーツやグローブ、ヘルメット、非常用呼吸装置など多数の装備は重さ約30㎏もあるとか。
重装備をして特別に訓練された特殊任務の飽和潜水士の方々は心身共に負担が大きい作業です。
潜水士は作業台船の加圧室で深海の水圧に体を適応させた後、水中エレベーターで海底に下りて作業をします。
そして船内を捜索し船体にワイヤーを取り付けるなどしていました。
それもまたやり直しとなると潜水士の方の体調を整える必要があるので時間がかかると予想できます。
次は落下しないよう、より一層の慎重な作業が求められます。
追記/5月27日、再度引き揚げられたカズワンが網走港へ到着しました。落下から3日で引き揚げられたとは素早い対応でした。
まとめ|知床観光船カズワンの再引き揚げ費用は税金!作業は一定期間かかる
船体の引き揚げ費用は約1億4000万円で、捜査上の証拠になりうるため海上保安庁が負担する可能性大です。
つまり国民の税金が使われることになります。
水深180mに沈んだ船を引き上げる重要な任務を担う飽和潜水士の身体を水圧に慣らす過程等を考慮すると、無事にカズワンが地上に引き揚げられるまでに今後数週間はかかると予想されます。
追記/5月27日、再度引き揚げられたカズワンが網走港へ到着しました。
次回は今回のような失敗がないよう作業してもらいたいです。そして一日も早く行方不明者が見つかることと、事故の全容が明らかになることを願います。