BCリーグ・茨城アストロプラネッツの松田康甫(こうすけ)選手(23)が、アメリカ・メジャーリーグのロサンゼルス・ドジャースとマイナー契約を結んだことがわかりました。
全国的にほぼ知られていなかった無名の選手がマイナーからメジャーリーグへ這い上がって活躍することはできるのでしょうか?その可能性を探ります。
BC茨城・松田選手の経歴、周囲の反応は?
プロ野球の独立リーグ、BC茨城には昨年まで西武などで活躍したカブレラ選手の息子、ラモン・カブレラ選手が在籍していたことでも知られています。
また、2021年ドラフト会議で外野手のダリエル・アルバレス選手がソフトバンクに指名を受けたほか、元メジャーリーガーのセサル・バルガス選手はメキシコ代表として東京五輪出場後オリックスへ移籍しています。
そんな中、松田選手のことはニュースになることもなく話題にはなりませんでした。これまでの松田選手の経歴を見てみましょう。
生年月日 | 1998年10月14日 |
出身地 | 石川県 |
身長 | 193㎝ |
体重 | 93kg |
投 | 右 |
打 | 右 |
血液型 | O型 |
出身小学 | 白山市立松陽小 |
学童野球チーム | 松陽少年野球クラブ |
出身中学 | 白山市立笠間中学 |
出身高校 | 金沢高校 |
出身大学 | 拓殖大学 |
恵まれた体格の大型右腕ですが、甲子園は未経験。入団1年目の昨年の登板は3試合のみ。大学時代の4年間も公式戦でマウンドに上がったのは1度しかなく目立った活躍もしていません。
家族も今回の契約について「ありえん!」と驚いたそうです。それでもドジャースのスカウトの目に止まったのですから、人生いつ何が起こるかわかりません。
松田選手は会見で指名された時の感想を他人事にように感じていました。
何言っているんだろうみたいな。実感なくて
日本でプレイせずにメジャーで活躍した例は?
日本球界を経ずにメジャーリーグへ行った選手で活躍した選手はいるか調べました。
ボストンレッドソックスで活躍した田澤純一選手は2008年ドラフトの目玉選手でしたが、ドラフト前にメジャー行きを公言し日本でプレイすることなく社会人からメジャーへ渡りました。この行動は球界に波紋を呼びNPBは異例のルール、通称“田澤ルール”を作ったほどです。
これは「日本のドラフト会議の指名対象となるアマチュア選手が、NPB所属球団からの氏名を断りMLBへ行った場合、海外のプロ野球球団を退団後、大卒、社会人は2年間、高卒は3年間、NPB所属球団とは契約できない」というもの。
田澤選手は2020年にレッドソックスを戦力外となり日本に帰国しましたがNPBへの入団は叶わず、7月にBCリーグの埼玉武蔵ヒートベアーズに入団しました。これを受けて“田澤ルール”の見直しが論議され、2020年にルールは撤廃されています。
そのほか日本でプレイすることなくアメリカへ渡り、マイナーからメジャーに実力でのしあがったのは、マック鈴木選手と多田野数人選手だけ。引退後、鈴木さんはクワバタオハラの小原正子さんと結婚。子供もいて幸せな家族を築いています。多田野さんは2021年末に北海道日本ハムファイターズで2軍投手コーチに就任しました。
いずれにしても松田選手を待ち受ける現実は簡単ではないと言って間違いなさそうです。
BC茨城・松田選手の期待度は?
松田選手に以前から注目していた人たちは今回のニュースをどう受け止めているのでしょうか。
高校、大学で目立つ活躍はできなかった松田選手でしたが、BC・茨城に入団してから努力を重ねてきました。その結果、昨年の試合で3軍とは言え、巨人の選手から連続三振を奪う好投を見せていたんですね!
投げっぷりもダイナミックで清々しさを感じます。人間誰でもチャンスをつかむにはどんな場でも与えられたところで一生懸命ベストを尽くすのが正しい道と言えるでしょう。
BC茨城・松田選手の伸びしろに期待!メジャーリーグで活躍を
マイナーはさまざまな国からスカウトされた選手が多くいます。言葉もままならず、もちろん通訳もおらず過酷な環境で給料も安いなど待遇も厳しいとか。
ライバルが多い中、メジャーに昇格して活躍という成功への道は簡単ではないと思います。
しかし“アメリカン・ドリーム”が実現するよう松田選手の伸びしろに期待して今後の活躍を見守りたいですね。